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落ちこぼれじゃない!

今日は、ちょっとまじめな話題です。

先週まで教えていたクラスには、7人の生徒がいました。
そのうちの2人は、理解したり覚えたりするのに、他の人よりちょっと時間がかかります。本人たちも自覚していて、一生懸命努力しているのですが、だんだんと、他の5人との差が大きくなってしまいました。
本当は、彼らが追い付けるように、レッスンのペースを落としたかったのですが、そうすると、決められた期間内に、必要な内容が終わらなくなり、結果として、7人全員が試験に合格できないことになってしまいます。それは避けたかったし、2人も、自分たちのせいで他の人までが合格できないのは困るから、今のペースで続けてほしいと言うので、ペースを落とすことはできませんでした。
代わりに、2人だけのクラスで基礎からしっかりやり直せば、必ず伸びる筈なので、何とか別のクラスを作ってくれるよう、会社に頼んでいたのですが、やっと実現し、今週から彼ら2人だけ、別の先生が教えることになりました。

それで、新しい先生に、いろいろと細かく引継ぎをしたわけです。今までの授業の内容、様子、会社側の要望、彼らの性格、彼らにとって最良と思われる方法などなど。。。
その後、その先生の口から出た言葉、「そちらのクラスの落ちこぼれの生徒達、、、」に、ショックを受けてしまいました。
あの~、「落ちこぼれ」じゃないんですけど。。。 彼らは、人より時間がかかるだけで、時間さえかければ理解できるし、たくさん練習をすれば覚えられるんです。落ちこぼれまいと、必死に頑張っているんです。
私の中では、「落ちこぼれ」っていうのは、本人に完全にやる気がなくなってドロップアウトした状態だと思っているのですが、こんなに頑張って勉強していても、それでも「落ちこぼれ」と呼ばれてしまうんでしょうか? この言葉って、なんか、もう何をしても望みはないと、見放したみたいで、好きじゃないんですけど。
言葉って、難しいですね。もしかしたらその先生は、ほんとに何気なく使っただけなのかもしれません。でもその言葉で、傷つく人もいるんですよね。って、私が傷ついてちゃ、しょうがないんですけど。

先週見た「となりの山田君」の中で、デパートで迷子になった女の子が、受付の人に「迷子なのね」と言われて「迷子じゃない。はぐれただけ」と言い返す場面があって、その人の視点によって、言葉って変わるんだよなぁ、なんて、変なところで感心してしまいました。
私にとっては、この2人は、「落ちこぼれじゃない。他の人より遅いだけ」なんですけどね。
by kazinvic | 2006-04-27 22:20 | 日本語のこと
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